所長挨拶

佐藤 満

 専修大学スポーツ研究所(SUIS:Senshu University Institute of Sport)は、「健康科学部門」、「スポーツ科学部門」、「スポーツ文化部門」の3部門の領域で構成されております。各所員の研究は、本学所属のアスリートをはじめ、オリンピックやパラリンピック、各国際大会などの世界レベルのアスリートへの実践的な研究活動を行なっております。また、ジュニアスポーツや生涯スポーツ、レクリエーションスポーツなどを対象として、地域活性化、健康増進による健康長寿社会の実現などへのアプローチも積極的に行なっております。
 さて、2011年には、1961年施行されたスポーツ振興法を50年ぶりに全面改正したスポーツ基本法が施行されました。スポーツ基本法は国民の心身の健全な発達、明るく豊かな国民生活の形成等に寄与することを目的としており、その冒頭には「スポーツは、世界共通の人類の文化である」という理念が明記されています。スポーツ基本法の理念を具体化し、我が国のスポーツ施策の方向性を示すものとして、2012年第1期スポーツ基本計画が策定されました。その後、2017年に第2期、そして今年2022年に第3期が策定されるに至りましたが、第3期では国民が「する」「みる」「ささえる」ことを真に実現できる社会を目指すこととし、「東京大会のレガシーの継承・発展に資する重点施策」、「新たな3つの視点」の2本柱が掲げられました。特にスポーツの価値を高めるための「新たな3つの視点」を支える施策として、スポーツを「つくる/はぐくむ」、スポーツで「あつまり、ともに、つながる」、スポーツに「誰もがアクセスできる」が必要とされています。本研究所では、これまでも活動の成果を積極的に社会に発信してきましたが、これらの新たな施策に賛同し、スポーツを通じて更に社会に貢献すべく活動を展開していく所存です。
 スポーツ研究所の理念は人間にとって不可欠な身体活動を健康、スポーツ、さらに文化的側面から総合的に科学することにあります。働き方や生活の仕方等のライフスタイルの変化が生じていることに加え、「人生100年時代」と言われる中で既存のライフスタイルにとらわれないような変化が求められています。専修大学の21世紀ビジョンである「社会知性(Socio-Intelligence)の開発」を日々のスポーツの実践、研究を通してさまざまな形で具現化し、学生はもとより広く社会や地域に向けて「知の発信」をしてまいります。